戦後、物が無かった時代に、生活の為に必要な器など、輪島塗は高価とても高価でしたが、堅牢性が高く、長く使えて実用性に優れていた為、長い目で見た場合にはランニングコストが低かったこともあり、他の産地の漆器よりもよく売れたそうです。よく売れるので、産業が無い輪島では輪島塗が基幹産業となり、当時は、輪島塗従事者もどんどん増えました。
ところが、その後、安価に製造できるプラスチック製品が食器の市場に参入してきました。日本人の生活スタイルも欧米化していき、一般家庭での需要も激減してきました。
例えば、和室が減った為に輪島塗で塗られた座卓が激減。結婚式や葬儀会場などもセレモニーホールが増えた為に、自宅で知人や親せきを招いてもてなす習慣が皆無となりました。各家庭でお膳を準備する必要がなくなってしまいました。その為、多くいた職人も仕事が無くなり、技術を持った職人もやむなく職業変えをせざるを得なくなってしまいました。
現在、職人の減少とともに高齢化も進み、後進の職人育成も課題となっています。